ロジカルシンキングを身につけたい

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」 

 

 

こんにちわ、そんぽです。

 

私たちが直面する多くのプロジェクトや課題は、単なる労働時間では解決できない複雑さを持っています。

 

安宅 和人の『イシューからはじめよ』では、そういったプロジェクトや仕事を効率的に進め、その結果を効果的に伝えるための具体的なステップを説明しています。

 

この本を手に取ることで、問題解決のための生産性向上の方法を体系的に学ぶことができ、さらなるスキルアップを目指すきっかけとなりました。

 

この経験を皆さんにも共有し、共に問題解決のスキルを磨き上げていきたいと思います。

 

 

【全体の流れ】

この本では、あるプロジェクトや仕事を効率的に進めて、結果を効果的に伝えるためのステップを説明しています。

 

このプロセスは、以下の5つのステップに大別されます:

 

1.仮説の立案と質の高い情報の収集:プロジェクト開始前に仮説を立て、生の情報に触れ、基本情報をスキャンします。情報は集めすぎず、必要なものだけに絞ることが重要です。

 

2.要点の分解とストーリーラインの構築:情報を分解し、ストーリーラインを組み立てます。このステップではMECE(相互排他的で全体集合的)の原則を用い、意味のある分解を行います。サブの要点もスタンスを取りながら仮説を立て、分解します。

 

3.ストーリーをビジュアル化:イメージの具体化や軸の整理を通じて、ストーリーをビジュアル(絵コンテ)にします。どんな分析結果が欲しいかを明確にし、それを起点にすることが重要です。

 

4.分析の実施と問題解決:実際に分析を進め、問題を解決します。様々なトラブルが発生する可能性がありますが、それを見越して検証に向けて20社30人などの大規模な仕掛けを仕込んでおきます。

 

5.結果のまとめと伝達:結果をストーリーラインに沿ってまとめ、チャートやプレゼン資料、論文などで伝えます。プロセス全体を通じて、論理構造の確認と流れの磨き、エレベーターテスト(短時間での説明)の準備が必要です。

 

これらのステップは、事前に計画を立て、情報を適切に整理し、分析を行い、結果を効果的に伝えるための指針となります。特に新しいプロジェクトや課題に取り組む際には、このプロセスを頭に入れておくと良いでしょう。

 

 

【イシューの見極め】

議論や分析を始める前に、何に答えを出す必要があるかを明確にし、分析を設計することが重要。結果が想定と異なっても、それはアウトプットであり、新たな進歩や気付きにつながる可能性がある。

目的意識を持って取り組まなければ、多くの無駄な作業が発生する。

 

以下がイシューの見極めの3つのプロセスです。

 

1.本質的な選択肢があること

重要な問題に対して、革新的なアプローチや深い仮説を持つことが重要。

 

2.答えを出せること

重要な要点に対して、的確に答えを出せる能力が求められる。

 

3.深い洞察があること

新しい構造や発見を通じて常識を否定し、重要な要点を深く理解する洞察力が必要。

 

 

【仮説を立てる】

仮説を立てることは、問題解決や課題解明において重要なステップです。具体的な活動を行う前に、解決すべき課題や目標に対して予測や仮定を立てることで、効率的な方向性を見出すことができます。仮説は以下のような特徴を持ちます。

 

1.具体性と明確性

仮説は曖昧ではなく、具体的で明確な内容であるべきです。問題の本質や要件を把握し、明確に言語化することが重要です。

 

2.分析と検証

仮説を立てたら、それを検証するための分析を行います。十分な情報を収集し、データを集めることで、仮説の妥当性を判断します。

 

3.初期仮説との比較

仮説は最初から正確である必要はありません。初期の仮説を設定し、それと比較して適切な修正を加えていくプロセスが重要です。

 

4.目的意識と結果の予測

仮説は特定の目的や結果に向けて立てられるものであり、それを達成するための道筋を示すものです。

 

仮説を立てる際には、情報収集やデータ分析、チームの意見交換などを通じて根拠を持つことが大切です。さらに、予測が難しい場合や不確実性が高い場合には、複数の仮説を立てることも有益です。そして、検証を通じて有効な仮説を見極め、効果的な解決策や戦略を導き出すことが求められます。

 

仮説の立て方を適切に行い、データと経験を基に的確な判断を下すことで、より効率的かつ効果的な行動が可能になります。そして、仮説に基づく着実なプロセスを経て、課題解決や目標達成に向けた成功へと導いていくことが期待されます。

 

 

 

【情報収集】

一般的な情報収集、分析、仮説生成のフレームワークと方法を提供します。以下に主要なポイントを再構成し、より理解しやすくまとめます。

 

○情報収集のコツ

1.一次情報に触れる

これは、フィルターを通過していない、原始的な情報のことを指します。たとえば、生産ラインの現場に立ち、現場の人々と話をしたり、作業を一緒に行うことがあります。これにより、自分で情報を解釈し、自分の視点を形成することができます。

 

2.基本情報をスキャンする

 一次情報を収集した後、その情報を整理し、一般的な理解を得るために必要な基本情報を調べる必要があります。このステップでは、数字(規模、シェア、利益率など)、問題意識(その分野の議論の理解)、フレームワーク(枠組みや説明の方法)を把握します。

 

3.情報を過剰に集めない

効率的な情報収集は、ある一点で頭打ちになります。情報が過多になると、分析が難しくなる可能性があります。そのため、重要な情報だけに焦点を絞り、不必要な情報は省くことが推奨されます。

 

○アプローチ

特定のための5つのアプローチ: これには以下の手法が含まれます。

1.変数を削る

重要な要素に焦点を絞り、不要な変数を除去します。

 

2.視覚化する

問題の構造を視覚化し、重要な点を整理します。

 

3.最終結果を想定する

全ての課題が解決した時を想定し、現在見えている姿から逆算します。

 

4.「So what?」を繰り返す

これにより仮説を深めます。

 

5.極端な事例を考える

これにより鍵となる要点を見つけ出します。

 

 

これらのステップは、問題解決や新たな仮説を立てるための効率的な情報収集と分析に有用です

 

 

 

【ストーリーラインの組立て】

ストーリーラインや絵コンテの作成は、効果的なコミュニケーションや問題解決のための鍵です。以下の点がその重要性を強調しています。

 

1.説得力の向上

ストーリーは、情報を伝えるだけでなく、受け手の心を動かす力があります。良いストーリーは情熱や目的意識を持って語られるため、受け手に説得力を持ちます。

 

2.クリアな構造

ストーリーラインや絵コンテをしっかりと組み立てることで、伝えるべき主要なポイントや要点が明確になります。これにより、受け手の理解を深めることができます。

 

3.MECEの原則

MECE(相互に排他的で、全体として網羅的)は、情報を整理する際の有効な原則です。これにより、情報の重複や欠落を避けることができます。

 

4.柔軟性

一般的なフレームワークや既存のストーリーの形式に固執せず、特定の状況や聴衆に合わせてアプローチを選択することが大切です。

 

5.継続的な改善

あらゆるストーリーは時間と共に進化します。新しい情報や視点が得られるたびに、ストーリーを見直し、必要に応じて調整することが重要です。

 

総じて、ストーリーラインや絵コンテの作成は、情報を伝えるだけでなく、受け手に影響を与えるための重要なツールです。このプロセスを通じて、意図したメッセージを的確に伝え、受け手の行動や考え方を変えることができます。

 

 

 

【絵コンテ】

1.絵コンテ作り

これは、分析のイメージやストーリーラインを具体的にビジュアルで表現することです。これにより必要なデータや情報の取得を明確にすることができます。

 

2.分析の3つのステップ

軸の整理:分析を行うための基本的な枠組みや方向性を明確にします。

イメージの具体化:具体的な分析結果や目標をビジュアルで表現します。

 

・方法の明示:データ取得や情報収集の方法を明確にすることで、効率的な分析を目指します。

 

・分析とは:分析の本質は「比べること」であり、適切な軸で対象同士を比較することで、その違いや特性を明確にします。

 

最後に、問題解決や分析においては、始めの要点や大事なポイントから始めることの重要性を強調しています。この意識を持ち続けることで、様々な場面での技術や思考の習得が高まると考えられます。

 

 

 

【アウトプットについて】

○重要なポイント

1.いきなり飛び込まない

分析・検証の活動を始める前に重要な部分や前提を検証し、描いたストーリーを崩れさせないようにする。

 

2.答えありきではない

都合の良い見方をせず、幅広い全体像を見て対象を考察し、正しい答えを出す見方をする。

 

3.トラブルを裁く

欲しい数字や照明が出ない、自分の知識や技では解かないトラブルに対処する。

 

4.回転数とスピードを抽出する

60%の完成度の分析を繰り返して80%以上の完成度に到達することを目指す。

 

これらのポイントは、「いかに効率的に重要な活動に絞り込み、その質を高めるか」というゲームの中で重要な戦略です。限られた時間やリソースの中で成果を上げるためには、このようなアプローチが必要とされます。

 

 

【プレゼンテーション】

ストーリーラインを磨き込む際の3つのポイントについて説明します。

 

1.論理構造を確認する

すっきりとした基本構造に整理されているか確認する。前提が崩れていないことを確認する。話の流れにフレームワークを使用する際は1つに絞ることが重要。

思考を整理するための方法として、「WHY」の並べ立てや「空雨傘」などのロジカルシンキングを利用する。

 

2.流れを磨く

優れたプレゼンテーションは1つのテーマから次々と鍵となるサブウィッシュが広がり、流れが途切れないようにする。紙芝居形式やチャートを用いて、テーマの順番やメッセージのメリハリを修正しながら説明する。引き手に分かりやすい内容にするため、コメントをもらったり自分で内容を修正したりする。

 

3.エレベーターテストに備える

エレベーターテストとは、20から30秒程度で複雑なプロジェクトの概要をまとめて伝えることを指す。ピラミッド構造でストーリーをまとめ、結論のポイントを明確にする。相手の興味や理解度に応じて、必要な情報を選択的に伝えることが重要。

 

これらのポイントを意識してストーリーラインを磨き込むことで、効果的なコミュニケーションを実現し、相手に伝えたいメッセージを明確かつ魅力的に伝えることができます。

 

以上が、本の内容の要約になります。

 

私がこの本の内容を要約し、まとめてみたものの、正直なところ、私自身がこの方法論を完全に実践し、血肉として活かすまでの道のりはまだ遠いと感じています。

 

ただ、単に学んだ知識を実践するだけではなく、それを自分自身の性格、職業、そして個性にフィットさせることの重要性を痛感しています。

 

このアプローチがすべての答えではありません。それを基盤として、自分独自のロジカルシンキングや仕事の生産性の上げ方を追求し続けることが、真の価値のある人材になるための鍵だと考えています。

 

一つの方法論を学ぶことは大切ですが、それを自分のものにし、さらに進化させる努力が必要です。

 

 

では、また会いましょ〜